すもも もも作の「後宮デイズ」
この作者さんの事は知らなかったので、表紙の絵のちょっとふざけた感じと「後宮デイズ」というカタカナ入りの題名から、なんとなく軽いコメディみたいな感じのお話なのかなと思っていました。
でも読み進めてみたら、私の想像とは全然ちがうお話でいい意味で裏切られました。
後宮というので皇帝とそのお妃たちのドロドロした恋愛話かと思うとそうではなく、皇帝の地位をおびやかそうとする者の陰謀との戦いを軸に話がすすみます。
「後宮デイズ」の昔の中国風の世界は歴史ものが好きな私の好みにはまり、登場人物に「皇帝」がでてくるのもツボにはまり。
皇帝とその幼なじみでもある臣下との、深い主従関係も素敵です。
そして恋愛にうとい、主人公「翡翠」の恋の行方をドキドキしながらみまもりました。
この記事では、これから読む人が楽しめるように「後宮デイズ」の内容をネタバレなしで、あらすじと感想を紹介します。
後宮デイズのあらすじ これから読んでみたい方にネタバレなしで全力で伝えます
「後宮デイズ」の舞台は七星国という中華風の世界。
元は七つの国だった七星国。今はそれぞれの国が州となり、破軍国の王が皇帝となって七星国を治めている。
主人公「翡翠」は幼い頃に何者かに両親を殺され、兄を連れ去られた少女。
今は金鶏団という旅芸人の一座に拾われ、男装の麗人として芸を披露している。
その金鶏団の芸を見るために、皇帝がやってきた。
皇帝の姿を見て驚く翡翠。皇帝が連れ去られた兄の琥珀と同じ琥珀色の瞳をしていたのだ。
皇帝は翡翠の男装の舞を気に入り、後宮にいる妃たちに見せるため後宮に来ないかと誘う。
まさか皇帝が兄ではないと思いつつも、兄と同じ琥珀色の瞳を持つ皇帝が気になって仕方ない翡翠は、後宮に入ることを決意する。
そして翡翠はひょんなことから皇帝の命にしたがい、後宮内のある事件について調査することになる。
はじめは皇帝のことをよく思っていなかった翡翠だが、皇帝の命をうけて働くうちに皇帝の思い、臣下との絆を知り、自分も皇帝に仕えることを決意。
皇帝の地位をおびやかそうとする、七星国の州公の陰謀を阻止するために、翡翠は後宮で妃たちに芸を披露しながら怪しい動きをする者たちをさぐっていく。
後宮デイズを読んだ感想 どんどん続きを読みたくなるのは翡翠の気持ちに感情移入できたから
私が「後宮デイズ」にはまったポイントは、主人公「翡翠」の気持ちに感情移入できたからです。
ネタバレしないで書くのは難しいですが、皇帝に仕えるのを決意する時の翡翠の気持ち、少しずつある人物のことが気になっていく心の変化…。
マンガによっては、いまいち登場人物の気持ちに感情移入できないものもありますが、「後宮デイズ」の翡翠の気持ちには入りこめて一緒になってドキドキしたり切なくなったりしていました。
後宮デイズのストーリーは、七星国の皇帝をおとしいれようとする陰謀との戦いがメインです。
そこに主人公の翡翠の恋・翡翠の兄の琥珀の行方・皇帝の秘密などがからんできます。
この人は敵なの?味方なの?この事件の黒幕は誰なんだろう?と、ドキドキしながら読んでいました。
でもストーリーが難しいということもなく、展開がわかりやすくてつまらないということもなく、ちょうどいい感じでした。
9巻前後から、皇帝に敵対する者との戦争がストーリーのメインになってくるのですが、生々しい戦闘シーンはなく、安心して読めました。
また登場人物がそれなりの人数でてきますが、髪型や服装できちんと区別できて、これ誰だっけ?というのがなかったのも良かったです。
後宮デイズの特徴は?中国風の世界と多彩な登場人物・陰謀にたちむかっていくストーリー
古代中国風の世界
あくまで中華風であって、物語の舞台は架空の国。
中国風に宦官なども出てくる。
多彩な登場人物
後宮にいる皇帝の妃だけで、6人!でも、もともとはちがう国だったという設定のおかげか、妃たちそれぞれ髪型や服装の特徴がちがうので似たような人物がいなくてわかりやすい。
七星国それぞれの州の州公もでてくるが、人物がきちんと描きわけられている。
皇帝らしくない皇帝
ただ偉そうに臣下に守られているだけでなく、自ら問題解決にむけて奔走する姿がかっこいい。
見た目も中身も男らしく、現実世界では長髪の男性をかっこいいとは思えないけど、この皇帝ならあり。
陰謀にたちむかっていくストーリー
一巻で翡翠が調査する後宮内のある事件が、そのあとに続く事件とも関わりがある。
ひとつ解決すると、また次の問題がでてくる感じで、同じような事件はないので飽きない。
皇帝の地位をおびやかそうとする者との戦いの物語。
揺れ動く翡翠の気持ち
ある人物に求婚される翡翠。恋愛など意識してこなかった翡翠だが、だんだん自分の本当の気持ちに目覚めていく。
後宮デイズは外伝もあり
後宮デイズは、1巻から10巻までが「後宮デイズ~七星国物語~」として出版されています。
11巻から14巻までは外伝で「後宮デイズ~花の行方~」として出版。
「後宮デイズ~花の行方~」は「後宮デイズ~七星国物語~」の10巻終了後の話なのですが、内容を言うと~七星国物語~の完全なネタバレになってしまうので言えません。
とりあえず、10巻まで読めば後宮デイズ本編は完結です。
後宮デイズのネタバレなしの感想まとめ
後宮デイズは恋愛もストーリーにからんできますが、恋愛メインのお話ではないです。
私的に思う後宮デイズのストーリーは、皇帝をおとしいれるものたちとの戦いと、皇帝を守ろうとする臣下たちの絆の物語かなあ。
でも恋愛の場面ではドキドキ・キュンキュンするシーンもあって、ストーリーの面白さと時々でてくる恋愛シーンの切ない感じがいいバランスでした。
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